大型艦隊と合流し、旗艦への入ると光定達と合流する。
クレイアカデミーも襲われて、大怪我をしていないか心配だったか無事な様子にホッとした。

「アイチ、ごめん・・守りきれなくて」
ミサキに申し訳なさそうに謝られしたが、守れなかったのはこちらも同じ。
カムイ達も顔を上げてとアイチは励ます。

「僕も、ロイヤルパラディンのことばかり考えて、大切なことを忘れたから。でも・・もう大丈夫です」
結局ロイヤルパラディンを失ったと聞いて、落ち込んでいるかと想像していたが元気な姿に皆がホッとし
後ろにいるナオキと物珍しそうなするシンゴが気になった。

「あいつら・・なんで連れてきたんですか?」
アイチの身体から横に顔をだし、カムイはこの件に関わりのない二人が一緒に来ていることに疑問をぶつけてきた。

「ナオキ君はレンさんがいうのには、なるかみのヴァンガードとして僕が導いていたらしくて
シンゴ君はバレちゃったのと、凄く情報処理に長けているから・・・・」
「えっ・・そうなんですか?」
あの場で話すと、長くなりそうなので船に来たら全部話すとライドすると女になると騙してきたので
ナオキはともかく、シンゴに衝撃が大きそうなので途中で失神してはまずいという理由から。


ブリッジにユリとゴウキを残して、ブリーフィングルームへと皆は移動した。
そこでシンゴとナオキにもこれからのことを、説明。

「あーーっ、もしやあなたは光定様ではっ・・・ローマ帝王国の・・・本物ですっ!」
「やっ・・・やぁ・・どうも・・」

目を輝かせて、光の先導者と共に闇の先導者と戦った英雄の一人と出会えて光栄だと握手まですると
今回、ついにレオンのいる島、敵の本拠地を見つけ
叩きにいくのだがということはアイチもいるのではと顔を左右に動かす。

「ではっ・・白青の姫騎士王様も!!何処ですか」
「あんたの目の前にいるじゃない」
冷静な口調で、ミサキは教えてくれたが、目の前にいるのはアイチだけ。
意味がわからず、リゾートアイランドで会ったメンバーが大半で、初めて会う人は光定達ぐらいなのに
青い髪に青い目をしている者など、アイチ以外は・・・・。

「俺の隣にいる奴だよ」
ナオキは目だけを動かし、シンゴに教えるが「石田、冗談はほどほどにしてください」とまったく感づいていない。

「・・・えっと・・・その冗談では・・・・なくて」
苦笑しながら、アイチは自分を指差した。




間。




「えええええーーーーーっ!!」
旗艦にシンゴの大声が木霊し、ミサキより「静かに驚け!」と怒鳴られたがあんなに憧れていた白青の姫騎士王が
こんなにも近くにいたなんて驚きだ、しかもナオキは知っていたことが許せないが・・・まずは!!

「サインください!!」
白い色紙と、ペンをアイチの前に差し出す。
正体がバレたしと・・アイドルではないので、本当にただ名前を色紙に書いてシンゴに返す。

「ありがとうございますっ!!家宝にしますので!」
「いえ・・・別にいいけど・・」
ぶんぶんっと、握手までしているとシンゴの背後に突き刺さるような殺気を感じ、振り向くと笑顔のレンと仏教面の櫂。

アイチが白青の姫騎士王ならば、残る二人は・・・考えたくもないが恐る恐る・・アイチに聞くと。

「えっと・・・そのまさか・・かな・・」
本人とは知らず、血も涙もない『緋血の闇帝王』とか、凶悪な性格の『暴凶悪の竜皇帝』とか熱く語っていたが
絶対に戦いが終わった後に殺されると、ナオキに寄りかかる形で泣きながら石化していた。

「ご終了さま・・」
三和も、思い出し笑いをしながらシンゴの肩を叩く。
ようやく、本題に入れそうだ。

「奴らは海の真ん中の、誰も踏み入れたことない海域にある島にいることが判明した。
渦潮の激しさと、常に嵐が島を囲むように、まるで呪われているかのように渦巻いているとかで
今回、それが突然収まったという報告を受けて、皆に来てもらったんだ」

光定達はクレイアカデミーにいる先の戦争で戦ったヴァンガード達を集めた。
ナオキも唾を飲み込み、緊張しなから説明を聞いた、大きすぎる話の内容に怖気づかないように。

「・・・孤立した・・島」
タクトと共に、夢の中で見た島も呪いにかけたられたように外に出ることも、中に入ることもできない。
何故、今になってそれが止んだのは、アクアフォースのカードが揃ったことと関係しているのか?


「ようするに・・蒼龍とかいう男を倒せばいいんだよな!!」
「まぁ・・そうだね」
シンプルにいえばそうかもねと、光定はナオキに説明をすると
ならば話は早いと、櫂にことで懲りたのかと思っていたが、早く戦いたいぜとやる気満々だ。

「元気があっていいね、彼」
「バカなのよ・・どっかの誰さんに似て」
ちらりと、ミサキはカムイを見た。
カムイはエミに「一緒にがんばりましょう」とか、緊張のせいか舌を噛みながら話をしている。

皆、やる気満々ではあったが・・唯一、浮かない顔をしているアイチに櫂は見ていた。





夜になり、見張りをしているガイと光定を残し、お子様ヴァンガードとミサキ達も眠っているが
アイチは一人、甲板で考え事をしている。

今まで誰からも、助けられることもなくて、ようやく外への扉が開いたら攻められて
被害を受けた人からは当然の報いだと、言うかもしれないがアイチはそれを止めたい。

「アイチ」
櫂の声が聞こえ振り向くと、まだ起きていたのかアイチの横に立つ。
二人は海を無言で見つめていた、あれから忙しくてまともに話をしていない。

「トシキ君は、メガラニカ島の・・ドレッドノート王国を攻めることは賛成なのかな・・」
「・・・お前はロイヤルパラディンを奴らのせいで失ったのに、同情でもするのか?」

被害者の中に、入ってもおかしくないアイチ。
恨んでも当然なのに、そんな奴らを助けたいのかと、問うかとのように聞いた。

「そうだけど・・でもっ・・ゴールドパラディン達とも上手くやっているし・・会えなくなったのか悲しいけど」


ブラスター・ブレード。
ガンスロット。
ふろうがる。
うぃんがる。
ソウルセイバー・ドラゴン・・・マジェスティ・ロードブラスター。

勇気をいつもくれた彼らと、二度と会えないのは悲しいけど。


「でもっ・・僕はまだ戦える。トシキ君と一緒に」
にっこりと迷いなく笑うアイチ、本当に・・強くなった。
逆に櫂は自分の脆さを見えるぐらいに、しかし一つ気になったことがある。

「どうしてあの島の、国の名前を知っている?」
「あ」

島も国の名前も、調べたのに結局わからなかったのに。
じりじりとアイチに迫る櫂、後ろへと下がるアイチ。

「夢の中でっ・・・外れているかもしれないし」
「お前の夢には意味がある、全部吐け、そうすればすっきりするぞ」

何処かの犯罪者を問い詰める、刑事みたいなことを言っているような。
やがてアイチの背中に冷たい甲板がぶつかり、目の前には櫂の顔。

もう逃げられないと覚悟を決めて全てを話そうと覚悟しかけた。

「やめなよ、お兄さん。アイチ君が可哀相だよ」
茶色肩掛けのカバンを持った白髪の少年、タクトがいた。

「タクト君?」
こんな子供がいつの間にか、船の乗っている。
敵かとアイチを背に庇い、構える櫂だが、タクトの髪がふわりっと・・浮くと背景が変化した。


「なんだっ・・これは・・」
真下には、海があり・・そして島が。
アイチが見せられた映像と、同じだ。

思わず櫂にしがみつくアイチ、そのアイチを櫂はごく自然に抱きしめる。

「アクアフォース、彼らはね・・虚無から世界を救った英雄だったんだ」
再び背景が変わると、沢山のヴァンガード達と、彼らにを指揮するタクトの姿が。
暗い闇に飲み込まれたヴァンガード達に、かつての仲間だったのだろうか・・苦しそうに倒していく。

「どうしてっ・・!」
虚無に飲まれたヴァンガードは死ぬことで、ようやく闇から解放される。
それが唯一救う方法だった、頼もしい力あるヴァンガードほど狙われ、劣勢となっていく。

「僕はかつて・・皆と共に虚無を、・・・その名はヴォイド。追い詰められた僕達は彼らに全てを託した」

それが、今アイチ達が戦っているアクアフォースのクランを持つヴァンガード。

絶対正義の力で、当時のアクアフォースのヴァンガード達の命を礎とし
海の真ん中にある島に封印をした、残ったアクアフォース達を逃がさぬようにヴォイドは残っている力で
嵐と海を操り、外部と完全に島を孤立させ、さらに島の存在を忘れさせるように記憶を操作した。

「僕も動いたけど、人は記憶というものに絶対に自信を持っていて、知らない者を助けにことなどしようとしない」
しかも島の周りには、誰も立ち入れないようにされており。
確かめることを諦めていた。



「おい、お前・・かつてヴァンガードを導いたと言っていたが先導者は」
大昔のことのはずなのに、まるで最近あったことのように語るタクト。
何者だと、アイチを引き寄せ、カードを指に挟んでライドしようとする櫂に。

「落ち着いて、血の気が多いねぇ・・光の先導者に選ばれたのは。
ナオキ・石田・ビキナーもだけど。


僕は最初のヴァンガードにして調律者。タクトというんだよ」





「最初の・・・ヴァンガード」
光も闇の内の秘めた先導者、カードの力で不老不死となり、世界を観察する一族と共にいる。
人前に姿を現すことなど異例なのだが、アイチにはタクトと話す資格があると

あの時、アクアフォースのために何もできなかった。
未来を生きているアイチに、過去を教え、どう動くかも、知るため、姿を現した。








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